2026.05.24
姫路で"重度訪問介護が少ない理由"を、正直に話します

──やらない事業所が多いのには、理由があります。
こんにちは。自立生活企画ユニオン代表の有川です。
先月のブログでは、「なぜ私が重度訪問介護をやるのか」というお話をさせていただきました。今日はその続きとして、ずっと書こうか迷っていたことを、思い切って書こうと思います。
それは、「姫路では重度訪問介護を提供している事業所が、なぜこんなに少ないのか」、というお話です。
目次
重度訪問介護で「必要な支援につながりにくい現状がある」ご家族がいます
「10件以上の事業所に断られて、ようやくたどり着きました」これは、ユニオンにご相談をいただくご家族から、本当によく聞く言葉です。
人工呼吸器をつけている。喀痰吸引が必要。24時間、誰かの目が必要。
そういう方が、姫路でヘルパーを探そうとすると、行き先がほとんどないのが現実です。私はこの現状を見るたびに、思うんです。「これは、ご家族の問題じゃない。地域の問題だ」、と。
理由① そもそも、できる人材がいない
まず一番大きいのが、これです。重度訪問介護は、ただ介護ができればいい仕事ではありません。
喀痰吸引、経管栄養、人工呼吸器の管理──いわゆる医療的ケアと呼ばれる行為に対応できる人が必要です。ところが、これができるヘルパーが、本当に少ない。
理由はシンプルで、
・研修を受けないとできない
・研修を受けられる場所も限られている
・受けたあとも、現場で経験を積まないと自信が持てない
この3つのハードルを越えた人材は、地域全体を見てもごく一部です。人がいないから、サービスが立ち上がらない。サービスがないから、人も育たない。このループが、長いあいだ続いてきたんだと思います。
理由② 医療的ケアという、見えない壁
「医療的ケア」という言葉、聞いたことはあっても、実際の重さはなかなか伝わりにくいかもしれません。
たとえば喀痰吸引。これは、痰がうまく出せない方の喉や鼻から、機械を使って痰を取る行為です。タイミングを間違えれば呼吸が苦しくなるし、雑にやれば粘膜を傷つけてしまう。
経管栄養も、人工呼吸器の確認も、ひとつひとつが"命に直結する判断"を含んでいます。 これを、ご自宅で、家族と同じ空間でやる。これが重度訪問介護の現場です。
正直に言うと、これは"普通の訪問介護"とは、まったく別の仕事だと私は思っています。だからこそ、対応できる事業所が少ないのも、ある意味では当然なんです。
理由③ "リスクを取らない"という選択
ここからは、少しデリケートな話になります。事業所として考えると、重度訪問介護は正直、リスクが高いサービスです。
・ヘルパーの責任が重い
・万が一のときの対応が難しい
・教育コストもかかる
・1件あたりの拘束時間も長い
「やらない」という選択は、経営的には合理的なんです。だから、多くの事業所が"あえて"重度訪問介護を選ばない。 これは、責められる話ではないと思っています。ただ、結果としてご家族の行き場がなくなっている、という事実だけは、誰かが受け止めなければいけない。
私は、そう思っています。
現場を見てきたからこそ
地域の介護事業者さんは、みなさん本当に一生懸命支援をされています。
人手不足や制度上の制約があるなかで、できる限りの支援を続けている。それは、私自身も現場を見てきたからこそ感じています。
その一方で、「支援につながらない」「どこに相談したらいいかわからない」そんな声に出会うことも少なくありませんでした。
だからこそ、今、自分たちにできる支援を、しっかり届けていきたい。その想いが、ユニオンを立ち上げた理由のひとつです。
じゃあ、ユニオンは何をしているのか
私たちがやっていることは、特別なことではありません。
・医療的ケアや強度行動障害に対応できるヘルパーを、丁寧に育てる
・「難しいから断る」ではなく、「どうやったらできるか」から考える
・ご家族の話を、まず最後まで聞く
ただ、それだけです。
派手な仕組みも、特別なノウハウもありません。でも、"ここなら任せられる"と言ってもらえる会社で在りたい。それだけは、ずっとブレずに持っています。
人材育成の話、医療的ケアの現場のリアルについては、来月のブログで詳しく書かせてください。
最後に
今日も、ここまで読んでくださってありがとうございます。もし、
「家族の介護で、断られ続けて困っている」
「重度訪問介護のことを、もう少し詳しく知りたい」
「医療的ケアに関心がある介護職だけど、現場の話を聞いてみたい」
そんな方がいたら、ぜひ気軽に声をかけてください。サービスの売り込みより先に、まずはお話を聞かせてもらえたら嬉しいです。
ユニオンは、これからも姫路で、"誰かがやらなきゃいけない介護"を、ちゃんとやる会社でいたいと思っています。
来月も、よろしくお願いします。
自立生活企画ユニオン
代表 有川
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